少し前から、凝っているものがあります。それは、
てぬぐい。
いちどに2~3枚づつ、買い求めるうちに、ずいぶんたくさんになってきました。
たいていは、鎌倉を訪れたときに、
拭 NUGUU
というお店で購入します。
いにしえより愛されてきた伝統的な柄のほかに、その月ごとの柄などもあって、どれにしようかいつも迷ってしまいます。
てぬぐいといえば、てぬぐいをはじめ和雑貨を扱う店の元祖ともいうべき
かまわぬ
にもときどき行きます。
たくさん集まったてぬぐいは、今は籐のふたつき箱に入れています。
これは、てぬぐいの特等席というわけです。
購入したてぬぐいのうち、伝統的な柄ものは、主に食器を拭いたりして使っています。
月ごとの柄ものは、あんまりうつくしいので、2枚ほど、次の月が来るまで壁に飾っています。
特に額縁などに入れるのではなく、
うんと簡単に、透明のがびょうで止めているだけ。
でもこうすると風が吹いたときに、ふうわりと翻って、とてもきれいなのです。
夏などは涼しげで、ほんとうにいいものです。
分厚いタオルになれていると、使い始めはなんだかたよりなく感じられます。
ところが、あんなに薄いくせに、びっくりするぐらい水をよく吸います。
だから、食器を拭いたりするにはとても重宝です。
おまけに、はらりと干していると、あっという間に乾いてしまいます。
そのため雨の季節などはほんとうに助かりました。
なるほどてぬぐいとは、湿気の多い日本にふさわしいのだな、と感心したものです。
もうひとつ、すごいのは、丈夫さ。
あんなに薄いくせに(二度も言ってしまって、てぬぐいさん、ごめん)、長持ちするのです。
なんで、つい最近てぬぐいをつかいはじめたのにそんなことを知っているかといいますと...
母は、さんざん使ってくたくたになった手ぬぐいを2枚合わせて、父に「ゆかたおねまき」をちくちく縫っていました。
「ゆかたおねまき」というのは、読んでそのまま「ゆかたの寝間着」です。
肌に触れるものの、その触感にうるさい父は、使い古しのてぬぐいでつくった寝間着を、なにより気に入っていました。
うんと昔は、赤ちゃんのおむつにもしたときいています。
また、破れてしまったようなてぬぐいは、いっそ適当な幅に裂いてしまって、それを束ねて「はたき」にしたのだとか。
武家では贅沢を忌み嫌い、質実を重んじました。
それは不必要な贅沢=享楽的な生活が、精神を堕落させることをわかっていたからです。
そんなわけで、日常的に使うものも、最後まで工夫して使い切るのがあたりまえだったのです。
そんな質実な暮らしを楽しむコツは、どれだけ工夫できるか挑戦してみることがひとつだと思います。
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