今年の冬に滞在した際、ホテル特製のガトーショコラを自宅用お土産に購入したのですが、箱を開けてみるとケーキと一緒にラベンダーティーのティーバッグがふたつ、入っていたのです。
つまり、ケーキと紅茶のセットだったんですね。
ケーキも美味しかったのですが、私はそのラベンダーティーがたいそう気に入ってしまいました。
そこで9月に訪れたとき、ホテル内のショップの方に尋ねてみたのです。
「このラベンダーティーだけの販売はありませんか?」
すると、残念ながら、特にしていないというお返事でした。
私は、やはりそうか、と思いつつ、この紅茶がとても美味しくて気に入ってしまったことをお話ししたのです。未練がましいつもりではなく、むしろこんなに美味しい紅茶をセットにしていることのセンスを褒めたというか、つまりそんなふうなつもりだったのです。
するとショップの女性が「そんなにお気に召してくださったなんて。ちょっとお待ちください、メーカーに問い合わせてみましょう」と言ってくださったのです。
そしてあれやこれやと手配をしてくださり、自宅に届けてくださることになったのです。
その鮮やかさといったら。
「このお客様のご要望に応えたい」という目的を達成するために、すぐさま行動を起こした彼女を、私は驚きと感謝で見つめずにはいられませんでした。
ホスピタリティという言葉が一人歩きしているようなホテルがあるなかでほんとうの「心づくしのおもてなし」に出逢ったような気がしました。
一期一会 という言葉が広く知れ渡るようになりました。
このひとときを、二度とこないものと心得て、大切に大切に過ごす。
茶道の心得でもあります。
旅先での出逢いも、まさに一期一会。
豪華な客室も、素晴らしいお料理も、心づくしのおもてなしがなければ、味気ないものになることでしょう。
今回の嬉しい出来事、ショップの女性にはもちろん、支配人の方へもお礼状をお送りいたしました。
その後、お礼状へのお返事もいただきました。
こんなふうにして人との繋がりができていくと、旅はさらに味わい深くなっていくようです。
写真は、冬に訪れたときに撮影した、ホテルの門です。

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