自分にうそをつかない
真央ちゃんの悔しさは、どれほどのものかと思う。
たとえ周囲が「銀でもすごい」「トリプルアクセルを世界初二回飛んだのだから」「自己最高得点を取れたじゃないか」などなど、賞賛の言葉を投げかけたとしても、彼女はどうひっくり返っても納得できないのだろうと思う。
それは言葉に出来ないほどつらいことだ。けれど同時に、素晴らしいことだと私は思う。
武士道では、嘘は弱さの表れとされる。
私は祖母から、他人様に嘘をついてはいけないのはもちろんだけど、自分に嘘をつくのはさらに悪いことだ、なぜならおのれの弱さを上長するから、と教え諭された。
自分と素直に、真っ正面から向き合えば、必ず本心と相対することになる。
そして、本心は得てして、そんな上等なものではない。
悔しさ、怒り、悲しみ、羨望、嫉妬など、煩悩といわれる心をそこに見ることが多い。
そんな自分の醜態と向き合うのは、どれほどつらいことか。
けれどそこに向き合い、こんなにも自分は弱いのだ、と、認めることこそが、困難を乗り越えるためのスタート地点になる。
真央ちゃんのえらさは、何のためらいもなく、悔しがって歯がみしている自分と向き合っていることだ。
彼女はきっと、もっともっと大ものになる。
悔しい思いが深ければ深いほど、飛躍は大きくなる。
きっと次は彼女の満面の笑みを見ることになろう
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